この記事で分かること
・音楽隊は実在したのか
・8人の名前・年齢・担当楽器
・生存者がいたのかどうか
・最後に演奏した曲の2つの説
・音楽隊は実在したのか
・8人の名前・年齢・担当楽器
・生存者がいたのかどうか
・最後に演奏した曲の2つの説
音楽隊は実在した。乗っていたのは8人
先に答えを書くと、映画の音楽隊は実在します。1912年のタイタニックには8人の楽団員が乗っていました。| 名前 | 年齢 | 出身 | 担当 |
|---|---|---|---|
| ウォレス・ハートリー | 33 | イングランド・コルン | バンドマスター/ヴァイオリン |
| ジョック・ヒューム | 21 | スコットランド・ダンフリース | ヴァイオリン |
| ジョルジュ・クリンス | 23 | ロンドン | ヴァイオリン |
| ロジャー・ブリクー | 20 | フランス | チェロ |
| ジョン・ウッドワード | 32 | イングランド・オックスフォード | チェロ |
| パーシー・テイラー | 40 | ー | チェロ |
| ジョン・クラーク | 28 | イングランド・リヴァプール | ベース |
| ウィリアム・ブレイリー | 24 | ロンドン | ピアノ |
生存者はいない。遺体が見つかったのも3人だけ
つらい話ですが、ここははっきりしています。8人全員が亡くなっていて、生存者はいません。 さらに記録を見ると、遺体が収容されたのは8人のうち3人だけでした。| 名前 | 収容番号 |
|---|---|
| ジョック・ヒューム | 193 |
| ジョン・クラーク | 202 |
| ウォレス・ハートリー | 224 |
収容されたときの記録には、身につけていた物まで残っています。金の万年筆に「W.H.H.」のイニシャル、ダイヤの指輪、銀のシガレットケース、そして「Bandmaster Titanic」宛の電報。この細かさに、記録として残っているものの重みを感じました。

実は「1つのバンド」ではなかった
ここが調べていていちばん驚いたところです。 この8人は、沈没の夜まで一緒に演奏したことがありませんでした。船の中では2つの別々のグループとして動いていたからです。| 編成 | メンバー | 演奏していた場所 |
|---|---|---|
| 五重奏 | ハートリーが率いる5人 | ティータイム、夕食後のコンサート、日曜の礼拝など |
| 三重奏 | クリンス、ブリクー、ブレイリー | アラカルトレストランとカフェ・パリジャン |
最後に演奏した曲には2つの説がある
いちばんよく知られているのは、讃美歌「主よ、みもとに近づかん(Nearer, My God, to Thee)」です。1912年4月21日のニューヨーク・タイムズにも「沈む船の楽団はふさわしい讃美歌を選んだ」という見出しの記事が出ていますし、同じ月のトロント・デイリー・スターにも同じ趣旨の記事があります。 ただし、タイタニックの研究者向けのアーカイブでは、この讃美歌の話は「伝説によれば(according to legend)」という書き方をされています。記録として確定した話ではない、ということです。| 説 | 曲 | 根拠 |
|---|---|---|
| 本命 | 主よ、みもとに近づかん | 1912年当時の複数の新聞記事。映画もこちらを採用 |
| 対抗 | Songe d’Automne(秋) | 別の資料で「最後はこの曲だった」とする説がある |
ここから少し個人的な話をさせてください
この記事を書くのに、1912年の新聞の見出しを何本か読みました。「水が迫るなか、まだ演奏していた」「彼らの音楽は自分たち自身への鎮魂歌となった」。事故から1週間で、もうこういう言葉で書かれているんですよね。 正直なところ、私は最初「美談として作られた話なんじゃないか」と思って調べ始めました。結果は逆で、8人の名前も年齢も出身地も、遺体の収容番号まで残っていた。ここで手が止まりました。作り話ならこんな細かい記録は残りません。 一方で、いちばん有名な「最後の曲」のところだけが「伝説によれば」と書かれている。全部が事実でも、全部が確定でもない。この距離感が、114年前の出来事を今調べるということなんだと思いました。 うちには子どもが3人いますが、上の子が「タイタニックって本当にあったの」と聞いてきたら、たぶん船の話より先にこの8人の話をすると思います。名前が残っている人たちだからです。 なお、タイタニックの前編と後編の区切りについてはタイタニックの前編はどこまで?金曜ロードショー2週分の区切りを調べてみたに、吹き替え版の話はタイタニックの後編は9月11日!石田彰の吹き替え版が配信にない理由を調べてみたに書いています。主人公の #ジャック を演じたのは本作をもって日本でも“レオ様”との愛称で大ブレイクした #レオナルド・ディカプリオ さん。当初この役をやりたがらなかったというディカプリオさんを監督が週に一度は会って、何が嫌なのかを掘り下げていき5週間かけて口説き落とすのに成功したのだそうです✨… pic.twitter.com/Ib6bp3o9xG
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) 2026年9月4日
ハートリーのヴァイオリンは今も残っている
最後にひとつ。ウォレス・ハートリーさんが持っていたヴァイオリンは現存しています。 2013年のオークションで90万ポンド(当時の日本円でおよそ1億4000万円)で落札されました。タイタニック関連の品としては過去最高額です。本物かどうかを確かめるために、何年もかけた鑑定が行われたという記録も残っています。
まとめ
・タイタニックの音楽隊は実在。乗っていたのは8人
・8人全員が亡くなっていて、生存者はいない。遺体が収容されたのは3人だけ
・沈没の夜まで、8人は五重奏と三重奏の2グループに分かれていた。そろって演奏したのはあの晩だけ
・最後の曲は「主よ、みもとに近づかん」説が有名だが、研究アーカイブでは「伝説によれば」と書かれている
・ハートリーのヴァイオリンは2013年に90万ポンドで落札された
・後編の放送は2026年9月11日(金)よる9時、金曜ロードショー
放送を見たあとに「あの場面は本当にあったのか」と検索する人が多いところだと思います。この記事がその答え合わせになれば。
・8人全員が亡くなっていて、生存者はいない。遺体が収容されたのは3人だけ
・沈没の夜まで、8人は五重奏と三重奏の2グループに分かれていた。そろって演奏したのはあの晩だけ
・最後の曲は「主よ、みもとに近づかん」説が有名だが、研究アーカイブでは「伝説によれば」と書かれている
・ハートリーのヴァイオリンは2013年に90万ポンドで落札された
・後編の放送は2026年9月11日(金)よる9時、金曜ロードショー



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