この記事で分かること
- 焼きムラと焦げつきに底の厚さが関係する理由
- ガス火専用とIH兼用で板厚が違うこと
- 鉄フライパンのサイズ別の板厚と重さ
- 厚くすると何グラム重くなるのか
- フッ素樹脂のフライパンが板厚を出していない話
- うちがIHで使ってみて感じたこと
焼きムラと焦げつきに底の厚さが関わる理由
先に理屈のところを短く書きます。 フライパンの底が薄いと、火やヒーターが当たっている場所だけが先に熱くなります。厚いほど熱が横に広がってから食材に届くので、面の温度が揃いやすくなります。 薄いフライパンで焼きムラが出るのは、火加減の問題ではなく、底が熱を広げきる前に食材に届いてしまうからということですね。 ここでIHの話が出てきます。IHはコイルの真上が集中して発熱するので、ガスの炎より熱の当たり方が偏ります。だからIHで使うフライパンほど、底の厚さが効いてくることになります。メーカーは「ガス火専用」と「IH兼用」で板厚を変えていました
これを実際に商品でやっているメーカーがありました。大阪の藤田金属です。公式サイトの「KURO」というシリーズに、こう書かれています。| シリーズ | サイズ | 板厚 |
|---|---|---|
| KURO(ガス火専用) | 20cm/26cm | 0.8mm/1.0mm/1.2mm |
| KURO(ガス・IH兼用) | 20cm/26cm | 1.4mm/1.6mm/1.8mm/2.0mm |
板厚が選べるということは、逆に言えば「厚ければ厚いほど良い」わけでもない、ということでもあります。薄いほうが軽くて熱が回るのも早いので、用途で選ぶ形になっています。
鉄フライパンの板厚をサイズ別に並べてみた
もう1社、板厚を全部公開しているメーカーがありました。リバーライトの「極」シリーズです。公式サイトにサイズ一覧表があって、板厚と重さが全サイズぶん載っていました。| サイズ | 板厚 | 重さ |
|---|---|---|
| 16cm | 1.6mm | 390g |
| 20cm | 1.6mm | 560g |
| 24cm | 1.6mm | 830g |
| 26cm | 1.6mm | 950g |
| 28cm | 2.0mm | 1,300g |
厚くすると重くなります。ここが悩みどころ
いいことばかりではありません。上の表を見ると分かりますが、26cmの950gに対して、28cmは1,300gです。350gの差があります。 350gというのは、だいたい牛乳パックの3分の1くらいです。中身の入っていない空のフライパンでその差なので、そこに食材が乗ります。 毎日振る道具でこの差は小さくありません。厚いほど焼きムラは減るけれど、そのぶん確実に重くなる。ここが選ぶときのいちばんの悩みどころだと思いました。フッ素樹脂のフライパンは、板厚を出していないところが多いです
ここで困ったことが起きました。 フッ素樹脂加工(いわゆるコーティングのフライパン)のメーカーを見にいくと、板厚が書かれていないんです。 うちが公式サイトを開いた範囲では、ティファールの日本サイトにも、バッラリーニを扱っているツヴィリングの日本サイトにも、板厚をミリで書いた記載は見つけられませんでした。書いてあるのは「◯層コーティング」「熱伝導」「取っ手がとれる」といった、別の切り口の説明です。これは「薄いから隠している」という話ではありません。フッ素樹脂のフライパンはコーティングの層と加工が主役なので、板厚が売りの数字になっていないということだと思います。ただ、買う側からすると比べられないので、そこは不便でした。
板厚をミリ単位で公開しているのは、今回調べた範囲では鉄フライパンのメーカーだけでした。鉄は板を打ち抜いて作るので、板厚がそのまま商品の性格になるんだと思います。
うちはIHでコーティングのものを使っています
ここから個人的な話をさせてください。 うちの家はIHで、使っているのはバッラリーニのフライパンです。使い心地はいいんですよ。軽いし、くっつかないし、洗うのもラク。買ったときは「これはコスパいいわ」と思っていました。 でも最近、思ったより早く傷むなと感じています。長い目で見たとき、本当にコスパが良かったのかというと、正直そうでもなかったかもしれないな、と。もちろん使い方のせいもあると思うので、製品が悪いという話ではないです。空焚きしていないか、金属のヘラを当てていないか、という話は自分に返ってきますし。 ただ、今回こうやって板厚の数字を並べてみて、ひとつ引っかかったことがあります。うちはIHなんですよね。IHは熱の当たり方が偏るので、板厚が効く条件がそろっている側です。それなのに、自分が使っているフライパンの板厚を、これまで一度も気にしたことがありませんでした。 正直に言うと、フライパン選びは今もまだ迷子です。コーティングの寿命で選ぶのか、重さを我慢して厚い鉄にするのか。この記事は答えを出すために書き始めたのに、調べれば調べるほど「どっちにも我慢するところがある」という結論に近づいていきました。ただ、迷う軸がはっきりしただけでも収穫だったと思っています。今までは「なんとなく良さそう」で選んでいたので。まとめ
- 焼きムラと焦げつきには底の厚さが関わる。薄いと熱が広がる前に食材へ届く
- IHはガスより熱の当たり方が偏るので、板厚が効きやすい
- 藤田金属のKUROはガス火専用が0.8〜1.2mm、ガス・IH兼用が1.4〜2.0mmと分かれていて、範囲が重なっていない
- リバーライト極は16〜26cmが1.6mm、28cmだけ2.0mm。大きいサイズほど厚い
- 厚くすると重くなる。26cm 950gに対して28cmは1,300gで350gの差
- フッ素樹脂のフライパンは、公式サイトに板厚をミリで書いていないところが多い
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