
映画『奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』の秋田は「秋田県」までしか公表されていません
2026年7月31日公開の『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』は劇場版の33作目。監督は渡辺正樹さん、脚本は中村能子さん、上映時間101分です。 舞台について公式が発表しているのは、野原ひろしさんの故郷である秋田県と、「妖怪の国」という2つ。ORICON NEWSが2025年12月13日に伝えた発表時の記事にも、映画情報サイトの解説文にも、秋田県のどこなのかは書かれていません。 あらすじは、日本各地で怪奇現象が相次ぐ夏、野原家が秋田県のひろしさんの実家へ帰省するところから始まります。部屋に「おばけーしょん村」のチラシがばらまかれ、その村へ向かう道中の山奥で、人間が立ち入ることを禁じられた妖怪の国の入り口にたどり着く、という流れです。この記事で分かること
・映画の舞台の秋田が、公式にはどこまで公表されているのか
・ゲーム『炭の町のシロ』のモデル地について地元紙が報じた内容
・映画とゲームで重なっているところと、はっきり違うところ
・秋田がらみのタイアップの一覧と、そこから見えてくること
興行は公開3日間で動員44.1万人・興行収入5.3億円、週末3位という発進でした。それだけの家族がこの秋田を見たわけで、だからこそ「どこなの」が気になるんですよね。
・映画の舞台の秋田が、公式にはどこまで公表されているのか
・ゲーム『炭の町のシロ』のモデル地について地元紙が報じた内容
・映画とゲームで重なっているところと、はっきり違うところ
・秋田がらみのタイアップの一覧と、そこから見えてくること
【読まれています】
— インサイド (@INSIDEjp) 2026年8月25日
『クレヨンしんちゃん 炭の町のシロ』は、新作映画と同じくひろしの実家・秋田が舞台!
ゲームに登場する名物や駅を探し求めてきました【夏休み企画】
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ゲーム『炭の町のシロ』の秋田は、地元紙が「仙北市と大仙市がモデル」と報じていました
ここからが本題です。クレヨンしんちゃんには、2024年2月22日にNintendo Switchで発売されたゲーム『炭の町のシロ』があります。同じ年の10月24日にはSteam版も登場しました。販売はネオス株式会社です。 このゲームも秋田が舞台で、しかもひろしさんの出張をきっかけに、野原一家が秋田の実家の近くに滞在するという導入。ある朝シロが煤だらけで帰ってきて、しんのすけがあとを追いかけると不思議な列車にたどり着き、そこから「炭の町」へ——という話です。 そして大事なのがここ。ネオスの公式サイトを開いても、書いてあるのは「秋田」までです。市町村名は載っていません。映画とまったく同じ書き方なんですよね。ここで一度手が止まりました。 ところが地元紙にあたったら、話が具体的になりました。大仙経済新聞が2024年1月19日付で、ゲームに出てくる村の名前は「オオマガラナイ村」、モデルになっているのは仙北市と大仙市、さらにひろしさんは大仙市大曲の出身という設定で実家近くの古民家を借りる物語になっている、と報じていました。作中には秋田内陸線や、仙北市がモデルの田園風景や神社も出てくるそうです。 ネオスのプロデューサーの長嶋朗さんは同紙で「秋田を舞台にしたゲームの代表作にしたい思いで制作した」とコメントしています。村の名前が「オオマガラナイ」というのも、大曲(おおまがり)と音が重なって見えました。もっともこれは私が並べて思っただけで、公式の説明ではありません。映画とゲーム、重なっているところと違うところを分けてみました
2作を並べると、似ている部分と違う部分がきれいに分かれました。まず基本情報から。| 映画『奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』 | ゲーム『炭の町のシロ』 | |
|---|---|---|
| 出た時期 | 2026年7月31日 公開 | 2024年2月22日 発売(Steam版は同年10月24日) |
| 公式が言う舞台 | 秋田県/妖怪の国 | 秋田 |
| 市町村名の公表 | なし | なし |
| 報道されたモデル地 | 見つかりませんでした | 仙北市・大仙市(大仙経済新聞) |
| 秋田へ行く理由 | ひろしの実家へ帰省 | ひろしの出張で実家近くへ |
| 重なっているところ | はっきり違うところ |
|---|---|
| ひろしの故郷である秋田が舞台 | 出たのは2026年と2024年で2年ちがい |
| 野原一家がまるごと秋田へ移動する | 映画は「妖怪の国」、ゲームは「炭の町」と異界の名前が別 |
| 秋田から別世界へ迷い込む二層構造 | 映画は劇場アニメ、ゲームは自分で歩き回る冒険アドベンチャー |
| 公式は市町村名を出していない | ゲームだけ地元紙にモデル地の報道がある |
この記事でモデル地として書いているのは、あくまでゲーム『炭の町のシロ』について地元紙が報じた内容です。映画の舞台が仙北市や大仙市だと公式に発表されたものではありません。
公表されていない代わりに、タイアップの行き先が大仙市に集まっています
場所は公表されていない。じゃあ手詰まりかというと、そうでもありませんでした。映画のコラボ先を並べると、秋田のどこと組んでいるかが見えてきます。| コラボ相手 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| JR東日本秋田支社・秋田県 | 春日部→秋田に里帰り!?スタンプラリーだゾ! | 2026年7月13日〜9月30日 |
| 大仙市「大曲の花火」公式アプリ | 映画の限定デジタルバッジを配布 | 2026年7月31日〜8月31日 |
| イオンモール春日部 | オラのクールバケーション | 2026年6月1日〜9月30日 |
| おふろcafé | 全国の店舗でコラボイベント | 2026年7月3日〜9月30日 |
| すき家 | すきすきセットのラバーマグネット | 2026年7月8日〜 |

調べていていちばん面白かったのは、2作の「入り口」がそっくりだったことです
ここから少し個人的な話をさせてください。 私はもともと、映画の舞台がどこなのかだけを知りたくて調べ始めました。ところがゲームの導入を読んだ時点で、そっちに気を取られてしまって。シロが煤だらけで帰ってくる。しんのすけがあとを追う。列車がある。別の世界に着く。この流れが、映画でチラシがばらまかれて山奥の入り口にたどり着く流れと、あまりに構造が似ているんです。 どちらも、秋田の田舎というものすごく現実的な場所から始まって、そこから一歩ずれたところに別世界の入り口がある。都会から異世界へ飛ぶんじゃなくて、おじいちゃんの家の裏から入る。田舎の納屋とか裏山とか、あの「うちの家じゃない暗さ」がちょっと怖かった感覚を、作り手はちゃんと分かっているんだなと思いました。 うちには9歳・5歳・3歳の3人がいます。夏休みに映画館へ連れて行くと、内容を全部覚えて帰ってくるのは上の子くらいで、下2人はポップコーンの話をして終わります。それでも「おじいちゃんちに行ったら変なことが起きた」という骨組みだけは、たぶん3人とも持って帰ってくる。夏に見た田舎の話って、そういう残り方をする気がします。 そう思って調べていたので、「秋田のどこか」が公表されていないと分かったときは拍子抜けもしました。でも冷静に考えると、作品の側の判断としてはむしろ真っ当なのかもしれません。「ひろしの実家の秋田」は、どこか特定の一軒であってはいけない場所なんだと思います。見た人それぞれが自分の田舎の景色を重ねられるように作ってある。だから県までしか言わない。そう考えると納得がいきました。 夏休みに家族で見るアニメだと、うちの周りではとなりのトトロの2026年の放送の話題もよく出ます。あちらも田舎に越してきた家族の話で、田んぼと森と不思議なものが同居している世界ですよね。劇場のほうでは映画ちいかわ入場者特典の第3弾のように、特典目当てで何度も足を運ぶ楽しみ方も定着してきました。
【追記】秋田の方に教えていただいた場所を並べてみました
この記事をThreadsに出したところ、秋田にお住まいの方や大曲のご出身という方から、次々に場所を教えていただきました。どれも公式が発表したものではありませんが、地元の人が「ここらへんかな」と思っている場所として、そのまま並べておきます。| 教えていただいた場所 | どういう話か | 実在するか |
|---|---|---|
| 唐松神社(大仙市協和) | 映画に出てくる神社の描写がこれではないか | 実在する神社 |
| 大曲(大仙市) | こまちの停車駅。ひろしの実家はこのあたりでは | 実在する地名・駅 |
| 太田地区(大仙市) | 大曲の東側。ここではないか | 実在する地区 |
| 羽後四ツ屋駅(田沢湖線) | 昔の話で、じいちゃんの家の最寄駅として出てきた記憶 | 実在する駅 |
| 北大曲駅(田沢湖線) | 作品に出た「西大曲」は架空だが、北大曲は本物 | 実在する無人駅 |
| 西大曲駅 | 原作の序盤で、ひろしが帰省したときに出てきた駅 | 架空の駅 |
【追記2】映画を観た方から、さらに場所を教えていただきました(8月14日)
上の追記を出したあとも、秋田の方から続けて教えていただきました。実際に映画を観てきた方、大曲にお住まいの方、ロケ地を回ってきたばかりという方まで。どれも公式の発表ではなく、教えていただいたものをそのまま並べています。| 教えていただいた場所 | どういう話か |
|---|---|
| 大曲駅西口(大仙市) | 駅前の風景が出てくる |
| 大曲花火大橋(旧金谷橋) | 橋の風景 |
| 大曲の花火の観覧会場(河川敷公園) | 花火の場面 |
| 唐松神社(大仙市協和境) | お化けの世界の入口が、この参道 |
| 旧池田氏庭園・洋館(大仙市高梨) | 作中に出てくる洋館ではないか |
| 樅峰苑(大仙市強首) | 泊まった旅館・貸切露天の感じが似ている |
| 美郷町六郷 | 候補として挙げていただいた |
| 中仙・角間川(大仙市) | 候補として挙げていただいた |
「炭の町」のほうにも手がかりをいただきました
ゲーム『炭の町のシロ』の町がどこなのかは、この記事でずっと分からないままにしていたところです。そこへ、大仙市協和に荒川鉱山という、鉱山で栄えた地区があると教えていただきました。今も大盛館という資料館が残っています。唐松神社と同じ協和というのが気になるところですが、公式が「ここです」と言ったわけではないので、候補のひとつとして書いておきます。 あわせて、花火アムに音声つきの野原一家のパネルがあって、映画の宣伝が流れていること、大仙市角間川の旧本郷邸のスタンプラリーに、映画のポスターと妖怪の説明が貼られていたことも教えていただきました。作中の妖怪に、大仙市や仙北市に伝わるものが混ざっているのではないか、という見方です。ここも公式の説明ではありません。合併の前と後で、地名の呼び方が変わります
大事な指摘をいただいたので足しておきます。大仙市ができたのは2005年3月で、それまで協和も太田も別の町でした。クレヨンしんちゃんのアニメが始まった1992年の時点では、唐松神社のある協和も、太田も「大曲」ではありません。当時の大曲市内にあたるのは羽後四ツ屋のほうです。 この記事では今の市の名前でまとめて書いていますが、作品に出てきた当時の地名としては別だったということになります。ひとくくりに「大曲」と書いてしまっていたので、ここは直しておきます。地元紙は「大仙市が主要な舞台の一つ」と書いていました
複数の方から「地元の秋田魁新報にロケ地の記事が載っていた」と教えていただいたので、探して確かめました。ありました。 秋田魁新報の記事「『しんちゃん』効果に期待の声 映画の舞台・大仙市、地域盛り上げへ」(2026年8月13日 11時00分掲載)の書き出しが、これです。全文は有料会員限定ですが、ここまでは無料で読めます。同じ紙面の並びで8月3日に「テーマは『しんちゃんと大曲の花火』 大仙市、映画公開に合わせキャンペーン」、7月16日に「ひろしの実家・秋田の風景楽しんで 大仙市で『しんちゃん』新作試写会、声優らPR」も出ています。河北新報も7月17日に「『クレヨンしんちゃん』新作映画の舞台は秋田・大仙市」と報じていました。 つまり、こう分けるのが正確でした。公開中の「映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション」は、秋田県大仙市が主要な舞台の一つとなっている。作中には市民におなじみの風景が登場。
| どこまで言っているか | |
|---|---|
| 配給・公式の発表 | 今も「秋田県」まで。市町村名は出していない |
| 地元紙・地方紙の報道 | 「大仙市」と書いている(秋田魁新報・河北新報とも7月から) |



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