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LOST10に原作はなし!最愛と同じ制作陣5作目で予習にいい過去作

ドラマ
TBSの金曜ドラマ『LOST10(ロストテン)』が2026年10月にスタートします。北海道が舞台で、登山ツアー中の遭難事故「支樺岳(しからだけ)事件」から物語が動き出す——そう聞くと、まず気になるのが「これ、もとになった小説があるんじゃないの?」というところですよね。 先に答えを書いてしまうと、『LOST10』に原作はありません。完全オリジナルです。ただ、この記事で本当に書きたいのはその先です。原作が無いのに、なぜこの作品は放送前からこんなに期待されているのか。その理由は作り手の並びにぜんぶ出ていました。
LOST10に原作がないことを表す空の本立てと白紙の紙束

LOST10に原作はなし!公式が「完全オリジナル」と書いています

『LOST10』は、2026年7月21日にTBSの10月期・金曜ドラマとして発表されました。その発表の時点から、「完全オリジナルのヒューマンサスペンス」という言い方で紹介されています。映画.com、モデルプレス、TVガイドWebなど、どこの報道を見てもこの一文は共通していました。 つまり、原作小説も原作漫画も存在しません。「原作 LOST10」で検索しても出てこないのは、探し方が悪いからではなく、そもそも無いからなんですね。ここは安心してもらって大丈夫です。
項目内容
タイトルLOST10(ロストテン)
放送局・枠TBS系 金曜ドラマ(毎週金曜よる10時)
放送開始2026年10月スタート予定
原作なし(完全オリジナル)
ジャンルヒューマンサスペンス
舞台北海道
物語の起点登山ツアー中の遭難事故「支樺岳事件」
脚本奥寺佐渡子
演出塚原あゆ子/泉正英
プロデュース新井順子
主演は横浜流星さんで、演じるのは刑事の小駒。7月31日に発表されました。その後もキャストは金曜ごとに1人ずつ出てきていて、8月7日にはフリーの保険調査員・直の役で小栗旬さんが発表されています。キャストの出方や、まだ出ていない人の予想については別の記事にまとめてあるので、そちらもどうぞ。
『LOST10』の「原作」に関する現時点での事実は、この1行だけです。
原作となる小説・漫画は存在せず、脚本家が一から書いた完全オリジナル作品

「原作がない」と「実話がもと」は別の話なんです

ここで一度、整理しておきたいことがあります。「完全オリジナル」と発表されたドラマでも、実際にあった出来事を下敷きにしていることはあります。だから「オリジナル=全部が作り話」とは限らないんですよね。 分かりやすい例が、同じ制作陣の『下剋上球児』(2023年)です。あれは菊地高弘さんのノンフィクションが原案で、10年連続で県大会の初戦敗退だった三重県立白山高校が甲子園に出るまでの実話がもとになっています。ただしドラマの公式は「登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクション」とはっきり断っていました。実話がもとでも、作品としてはフィクション。この線引きは、けっこう大事だと思います。 では『LOST10』はどうなのか。2026年8月7日の時点で、TBSも報道各社も「実在の事故がモデルです」という説明は一切していません。「支樺岳事件」という事件名についても、由来の説明は出ていない状態です。 なので、ここは正直に書きます。実在の出来事が下敷きになっているかどうかは、まだ分かっていません。ネット上には「あの事故がモデルでは」と結びつける声もありますが、公式が言っていない以上、私のほうから特定の事故の名前を出して書くのは違うと思っています。実際に山で亡くなった方がいる出来事に、確認も取れないまま作品を重ねるのは、外野がやっていいことではないですから。 ちなみに、舞台になる「支樺岳」という山そのものについてはロケ地の記事で調べています。そちらもあわせてどうぞ。

脚本の奥寺佐渡子さんは『国宝』で最優秀脚本賞を取った書き手

原作が無い作品でいちばん重いのは、脚本家の名前です。『LOST10』を書くのは奥寺佐渡子(おくでら さどこ)さん。1966年2月16日生まれ、岩手県のご出身で、東海大学の文学部を出たあと、1993年の映画『お引越し』で脚本家デビューしています。キャリアはもう30年以上です。

日本アカデミー賞の脚本賞を3回、アニメでも3回

奥寺さんの受賞歴を並べてみて、正直ちょっと声が出ました。日本アカデミー賞では1995年の『学校の怪談』で優秀脚本賞、2012年の『八日目の蝉』で最優秀脚本賞。そして2025年公開の映画『国宝』で、第49回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受けています。 『国宝』は吉田修一さんの小説を李相日監督が映画化した作品で、興行収入は200億円を超え、実写の邦画としては歴代1位という数字になりました。しかもこの『国宝』には横浜流星さんが大垣俊介役で出ています。『LOST10』の脚本家と主演は、すでに映画で一度組んでいる関係なんですね。ここ、気づいたときは「そういうことか」と思いました。 さらにアニメ映画でも、東京アニメアワードの脚本賞を『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』で3度。実写もアニメも、映画もドラマも書ける人というのは、そんなにたくさんいません。

代表作を並べると「原作もの」の名手だと分かります

作品種別原作の有無
1993年お引越し映画原作あり(脚本デビュー作)
1995年学校の怪談映画優秀脚本賞
2006年時をかける少女アニメ映画筒井康隆さんの小説がベース
2009年サマーウォーズアニメ映画オリジナル
2011年八日目の蝉映画角田光代さん原作
2012年おおかみこどもの雨と雪アニメ映画オリジナル
2014年Nのためにドラマ湊かなえさん原作
2017年リバースドラマ湊かなえさん原作
2021年最愛ドラマ完全オリジナル
2023年下剋上球児ドラマノンフィクションが原案
2025年国宝映画吉田修一さん原作
2026年LOST10ドラマ完全オリジナル
こうして並べてみると分かるんですが、奥寺さんの代表作は「原作つき」が圧倒的に多いんです。人の書いた物語を、映像用に組み直すのがずば抜けて上手い方、という言い方になると思います。 だからこそ、その人が原作を持たずに連ドラを書くのは、かなり特別な機会なんですよね。連続ドラマで完全オリジナルというのは、実は『最愛』に続いて2度目です。

演出の塚原あゆ子さんとプロデュースの新井順子さんという固定チーム

演出の塚原あゆ子さんは、埼玉県久喜市のご出身で千葉大学の文学部を卒業。1997年に木下プロダクション(のちのTBSスパークル)に入り、助監督を10年やってから監督になったという経歴です。10年、というところで一回手が止まりました。地道な積み上げの上に今があるタイプなんだなと。 プロデュースの新井順子さんも同じくTBSスパークルの方で、大阪府東大阪市のご出身。2001年に業界に入り、こちらも助監督を6年経験してからプロデューサーに転身されています。2023年からはドラマ映画部長という立場です。 この2人が組んだ作品を並べると、たぶん誰でも1本は見たことがあるはずです。
作品脚本原作
2014年Nのために金曜ドラマ奥寺佐渡子湊かなえさん
2018年アンナチュラル金曜ドラマ野木亜紀子オリジナル
2020年MIU404金曜ドラマ野木亜紀子オリジナル
2021年着飾る恋には理由があって火曜ドラマ金子ありさオリジナル
2021年最愛金曜ドラマ奥寺佐渡子ほかオリジナル
2023年下剋上球児日曜劇場奥寺佐渡子ノンフィクション原案
2024年ラストマイル映画野木亜紀子オリジナル
2024年海に眠るダイヤモンド日曜劇場野木亜紀子オリジナル
2026年LOST10金曜ドラマ奥寺佐渡子オリジナル
見ていただくと分かるとおり、塚原さんと新井さんのコンビは「原作なし」でヒットを出してきた実績のほうが多いんです。『アンナチュラル』も『MIU404』も『海に眠るダイヤモンド』も、全部オリジナル。原作の人気に頼らずに数字と評価を取ってきた組み合わせ、と言い換えてもいいと思います。 なお、主演の横浜流星さんにとっては、この2人と『着飾る恋には理由があって』(2021年)以来5年ぶりのタッグになります。
LOST10の予習に過去作を見るイメージ

3人そろうのは今回が5作目!しかも同じ金曜ドラマ枠から始まっていました

ここが、調べていていちばん面白かったところです。 私は最初、「『国宝』の脚本家と『最愛』の監督が新しく組んだ」という話だと思って調べ始めました。ところが年表を作ってみたら、奥寺佐渡子さん・塚原あゆ子さん・新井順子さんの3人がそろうのは、今回で5作目でした。初タッグどころか、12年前からの付き合いだったんです。
作品原作主な評価
12014年Nのために金曜ドラマ湊かなえさん原作3人の最初の顔合わせ
22017年リバース金曜ドラマ湊かなえさん原作ドラマアカデミー賞で脚本賞
32021年最愛金曜ドラマ完全オリジナルドラマアカデミー賞最優秀作品賞ほか
42023年下剋上球児日曜劇場ノンフィクション原案実話をもとにした学園もの
52026年LOST10金曜ドラマ完全オリジナルこれから
しかも1作目の『Nのために』は、2014年10月クールの金曜ドラマ枠。『LOST10』とまったく同じ、金曜よる10時の枠です。同じ3人が、同じ枠に、12年ぶりに戻ってくる。そう考えると、この作品にかかっている期待の重さがちょっと違って見えてきませんか。

ここから少し、個人的な話をさせてください

私はこの記事を書くために、まず「奥寺佐渡子 塚原あゆ子 初タッグ」みたいな方向で調べ始めました。『国宝』の脚本家がTBSの金曜ドラマに来る、というニュースの見え方がそうだったからです。ところが、奥寺さんのお仕事を1本ずつ確認していったら、『Nのために』も『リバース』も『最愛』も『下剋上球児』も全部この3人でした。完全に前提が崩れて、作りかけの構成をいったん全部消しました。 で、消したあとに年表を作り直して、原作のあるなしを1列足してみたら、今度は別のものが見えてきたんです。原作あり、原作あり、原作なし、実話がもと、原作なし。この3人は「他人の物語を預かる仕事」を2回やってから、3回目で自分たちの物語に踏み込んでいる。そして、その3回目が『最愛』でした。あの作品が高く評価されたあと、また実話ベースに戻って、今回また原作なしに来ている。 これって、いきなりオリジナルをやっているんじゃなくて、順番に積み上げてきた結果なんだなと思いました。私はもともと、意味が分かるまで納得できないタイプなんですけど、この並びを見てやっと「なんでこの座組みだと安心して待てるのか」が腹落ちしたんですよね。作品を信じるというより、この人たちが積んできた10年ちょっとの順番を信じる、という感覚に近いです。 あと、これは完全に余談なんですが、うちは子どもが3人いるので、放送前に連ドラを2本も3本も予習するなんて現実的に無理なんです。1本が限界。だから次の章では「もし1本だけ見るなら」という順番で書きました。同じような環境の方は、上から順にどうぞ。

原作がないなら予習は何をすればいい?見ておくと面白い過去作

原作つきのドラマなら「放送前に原作を読んでおく」という予習ができます。でも『LOST10』にはそれがありません。じゃあ何もできないのかというと、そんなことはないと思っています。 原作が無い作品の予習は、「作品」ではなく「作り手」に切り替わる。これがこの記事でいちばん言いたかったことです。読まれ方が変わっただけで、予習そのものは無くなっていないんですよね。
1本だけ見るなら『最愛』(2021年)。同じ3人がそろって、原作なしで作った唯一の連ドラです。全10回。ここで通用したやり方が『LOST10』にもそのまま出てくる可能性が高いと考えています。

まずは『最愛』(2021年)

3人そろいでの完全オリジナルは、今のところこの1本だけ。2021年10月15日から12月17日まで、全10回で放送されました。平均視聴率は8.7%、最終回は10.9%と尻上がりで、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の最優秀作品賞、東京ドラマアウォード2022の作品賞グランプリ、日本民間放送連盟賞のテレビドラマ最優秀賞を取っています。数字よりも、終わったあとの評価がぐっと伸びたタイプの作品です。 『LOST10』も、ひとつの事件をきっかけに複数の人の運命が絡んでいくという作りです。『最愛』の組み立て方を知っていると、初回の見え方がかなり変わるはずですよ。

事件の重さの描き方を見たいなら『Nのために』

3人の最初の顔合わせで、同じ金曜ドラマ枠。原作は湊かなえさんですが、「事件を軸に、関わった人たちの過去をほどいていく」という構造は『LOST10』の説明と近いと感じました。12年前の1作目と、今回の5作目を見比べる楽しみ方もできます。

演出のスケール感を見たいなら『アンナチュラル』『海に眠るダイヤモンド』

こちらは脚本が野木亜紀子さんなので奥寺さんは入っていませんが、塚原さんの演出と新井さんのプロデュースがどういう画を作るのかはよく分かります。『LOST10』は北海道の大自然が舞台なので、風景の使い方という意味では『海に眠るダイヤモンド』のほうが近いかもしれませんね。

配信で見られるかは、その時々で変わります

ひとつだけ注意点を。ここに挙げた作品がどの配信サービスで見られるかは、時期によってころころ変わります。「今どこで配信しているか」は必ずご自身で確認してください。この記事で「◯◯で見られます」と書いてしまうと、読んだ時期によっては嘘になってしまうので、そこは書かないでおきますね。

放送前に答え合わせできるのは、この3つ

ここまでは今分かっていることでした。最後に、これから何を見ていれば答え合わせできるかを置いておきます。予告型の記事は、ここまで書いてこそだと思っているので。
① 公式X(@lost10_tbs)の金曜更新
キャストが金曜ごとに1人ずつ発表されています。作品の設定に関する言葉もここから先に出ることが多いです。

② 公式サイトの相関図と「INTRODUCTION」
原作なしの作品は、放送が近づくと公式サイトに世界観の説明が足されます。支樺岳事件の中身がどこまで説明されるかは、ここで分かります。

③ ノベライズ(小説版)が出るかどうか
原作が無い作品でも、放送に合わせて小説版が出ることがあります。2026年8月7日時点で『LOST10』のノベライズは発表されていません。もし出れば、そこに書かれた設定が実質的な「原作扱い」になっていきます。
とくに③は見ておくと面白いと思っています。「原作が無い」という今の状態が、放送後に変わる可能性があるということなので。新しい情報が出たら、また追記していきますね。

まとめ:LOST10の原作について分かったこと

最後に、この記事で確認できたことを整理します。
・『LOST10』に原作小説・原作漫画はありません。公式に「完全オリジナルのヒューマンサスペンス」と明記されています
・実在の事故がモデルかどうかは、公式・報道ともに説明が出ておらずまだ分かっていません
・脚本の奥寺佐渡子さんは映画『国宝』で第49回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した書き手
・演出の塚原あゆ子さんとプロデュースの新井順子さんは、原作なしの作品でヒットを出してきたコンビ
・この3人がそろうのは今回が5作目。1作目『Nのために』は同じ金曜ドラマ枠でした
・予習するなら、3人そろいの唯一のオリジナル作『最愛』から
原作が無いと聞くと、なんとなく物足りなく感じる方もいると思います。でも調べてみて私が思ったのは逆で、原作が無い作品は、作り手の過去作がそのまま予習になるということでした。読むものが無くなったのではなく、読む対象が本から人に変わっただけなんですよね。 そう考えると、10月の初回までにやれることは意外とたくさんあります。まずは1本、『最愛』からどうぞ。 『LOST10』の新しい情報が入り次第、この記事にも追記していきますね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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