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緑内障のセルフチェックはどうやる?視力がいい人ほど気づかない理由を調べてみた

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眼科の検査コーナーのイラスト 暮らし・子育て・健康
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今日(2026年9月9日)のNHK「あさイチ」が「改善!40代からの目の不調」という回でした。 番組表を見ていて手が止まったのが、この一文です。 「衝撃!失明原因1位でも見えないことに気づかない『緑内障』」 失明原因の1位なのに、気づかない。この2つが同時に成り立つのが不思議だったので、日本眼科医会と日本緑内障学会が出している解説を読んでみました。理由がはっきり書いてありました。
この記事で分かること
  • 緑内障がどのくらい多い病気なのか
  • 視力検査では見つからない理由
  • 視野が欠けても気づかない3つの理由
  • 家でできる確認のしかた
  • 本当のチェックは何をするのか
この記事は日本眼科医会・日本緑内障学会が公開している解説をもとにまとめたものです。ここで書いている確認方法は診断ではありません。気になることがあれば、自己判断せずに眼科で検査を受けてください。

40歳以上の20人に1人。60歳以上では10人に1人です

まず数字からです。日本眼科医会の解説(東京大学医学部眼科学 相原一教授)に、こう書かれています。
・緑内障は40歳以上で5.0%、つまり20人に1人
60歳以上では10人に1人といわれている
日本の失明原因の1位
・ただし早期に発見して適切に治療を受ければ、生涯視野と視力を保てる病気 (出典:日本眼科医会「緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―」)
20人に1人という数字を見て、正直びっくりしました。学校のクラスに1人か2人いる計算です。 そして大事なのが後半です。失明原因1位ではあるけれど、失明率そのものはかなり低いと書かれています。患者さんの数が多いから、失明する人の人数も多くなる。でも早く見つけて治療を続ければ、生涯見え方を保てる。 つまり問題は病気の重さより、「見つかっていないこと」のほうです。

視力検査では緑内障は見つかりません

ここがいちばん大事なところでした。 日本眼科医会の解説(監修:日本緑内障学会理事長 相原一先生)に、はっきりこう書いてあります。 > 視力検査では、緑内障を見つけることができません。 健康診断の視力検査は、緑内障の検査ではありません。 理由は、視力と視野が別のものだからです。解説の言葉を借りると、視力は「見るための目のチカラ」、視野は「視界の広がり」。同じモノサシでは比べられません。緑内障で侵されるのは視野のほうです。 しかも、緑内障が進んで視野が広く欠けていても、目の中の大切な部分(中心)は末期まで無事なことが多いとされています。中心が無事だから、視力検査の成績は優秀なまま。
「メガネを新調したばかりで、よく見えている。だから大丈夫」——これは緑内障の初期にみる典型的な状態だと解説には書かれています。よく見えていることと、緑内障がないことは、別の話ということになります。
これを読んで、正直ぞっとしました。「健康診断で目は問題なかったから大丈夫」と思っている人ほど、危ないという話です。

気づかない理由は3つあります

では、視野が欠けているのになぜ気づかないのか。解説から拾うと、理由は3つに整理できます。
#理由中身
暗くならない緑内障の視野欠損は、ぼやけたり霧がかかったように感じるだけで暗くはならない
もう片方の目が補う欠けた部分を、両目で見ることでお互いに補ってしまう
脳が埋める脳の働きが「あたかもそこに何かがあるように」補ってしまう
①の「暗くならない」は、想像と違いました。視野が欠けると聞くと、その部分が黒くなるイメージを持っていたんですが、そうではないそうです。黒い穴が空くなら気づけます。霧のようにぼやけるだけだから、気づけないわけです。 そして②と③が重なります。片目が欠けていても、もう片方が見えていれば補ってしまう。さらに脳が「そこに何かある」ように埋めてくれる。3段構えで、欠けが隠されてしまうことになります。 ちなみに緑内障には急に眼圧が上がって痛くなるタイプもありますが、8割以上は、自分で気づかないうちにじわじわ視野が狭くなるタイプだと書かれています。
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家でできるのは「片目ずつ見てみる」こと

ここまで読むと、②の「両目で補う」がヒントになります。 気づけない理由が「両目で見ているから」なら、片目ずつ見てみればいいということになります。 日本眼科医会の解説でも、緑内障初期の見え方を説明するときに「右目と左目で片方ずつ見た時の見え方」という形で図が示されています。片方ずつ見るというのが、自分で気づくための入口になります。
家でできる確認
① 片方の目を手でそっと覆う(押さえつけない)
② もう片方の目だけで、壁のカレンダーや時計など、一点をじっと見る
③ 目を動かさないまま、その周りがどう見えるかを意識する
④ 反対の目でも同じようにやってみる
⑤ 左右で見え方が違う、ぼやける場所がある、と感じたら眼科へ
🛑 これは診断ではありません。これで「異常なし」に見えても、緑内障がないという意味にはなりません。初期はそもそも自覚できないと解説に書かれています。あくまで「片目ずつ見る習慣を持つ」というだけの話として受け取ってください。
ここから少し個人的な話をさせてください。 うちは子どもが3人いて、上が9歳です。子どもの目については、学校で視力検査があるので、結果が紙で返ってきます。「A」とか「B」とか書いてあるやつです。あれを見て、毎年ちょっと安心していました。 でも今回調べていて、その紙で分かるのは視力だけで、視野のことは何も分かっていないと気づきました。しかも大人になると、その紙すら返ってこなくなります。会社の健康診断で視力を測っても、結果は「1.0」みたいな数字がひとつ出るだけです。 40代って、体のいろんなところで「そろそろ」と言われはじめる年齢だと思うんです。血圧とか、コレステロールとか。数字が出るものは気にするようになります。でも目については、視力の数字しか見ていない。しかもその数字は、いちばん怖い病気を素通りしてしまう。 正直、この記事を書くまで緑内障を自分ごとだと思っていませんでした。40歳以上の20人に1人という数字を見て、はじめて「順番待ちの列に自分も並んでいる」感じがしました。 うちの母親世代だと10人に1人です。それを考えたら、親に「眼科行った?」と聞くほうが先かもしれないな、とも思いました。
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本当のチェックは眼科でやる3つの検査

では、ちゃんと調べるには何をするのか。眼科でおこなわれるのは、主にこの3つです。
  • 眼圧検査:目の硬さ(圧)を測る
  • 眼底検査:視神経の状態を見る
  • 視野検査:視界の広がりに欠けがないかを調べる
このうち視野検査が、家では絶対にできない部分です。片目ずつ、一点を見たまま、光がどこに見えたかを答えていく検査になります。 眼圧についても、解説に興味深いことが書かれていました。
・眼圧の正常値は10〜21mmHg
・ただし目によって耐えられる眼圧は違う
・眼圧は1日の中でも4〜5ぐらい変動し、冬は高いことが多い
・昼に一度測ったぐらいでは、その目の眼圧のことは分からない
「正常値の範囲だから大丈夫」とも言い切れないということです。眼圧が正常でも緑内障は起こります。ここも、素人が数字だけで判断してはいけない部分だと思いました。

緑内障は元に戻せない。だから早さが全部です

最後にもうひとつ、解説からそのまま引きます。 > 死んだ神経を元に戻すことはできませんから、視野を広げることはできません。 治療でできるのは「これ以上進ませないこと」だけです。失った視野は戻りません。 だからこそ、早期ならほとんど進まないこともあるけれど、末期ほど進行を遅らせるのが難しくなると書かれています。 見つけるのが早いほど、残せるものが多い。それが、この病気で唯一こちらが選べる部分ということになります。
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まとめ

  • 緑内障は40歳以上の20人に1人、60歳以上では10人に1人
  • 日本人の失明原因1位。ただし早く見つけて治療すれば視野と視力を保てる
  • 視力検査では見つからない(視力と視野は別のモノサシ)
  • 気づかない理由は①暗くならない ②もう片方の目が補う ③脳が埋める
  • 家でできるのは片目ずつ見てみることだけ。診断ではない
  • 眼科では眼圧・眼底・視野検査をおこなう
  • 失った視野は元に戻らない
調べていていちばん怖かったのは、「よく見えているから大丈夫」が、初期の典型的な状態だと書かれていたことでした。 自覚できないものは、自覚できるようになるまで待っていたら手遅れになります。40歳を過ぎているなら、一度眼科で視野検査を受けておく。この記事で言えることは、たぶんそれだけだと思います。 【出典】公益社団法人 日本眼科医会「緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―」(東京大学医学部眼科学 教授 相原一)/同「緑内障ってどんな病気?」(監修:日本緑内障学会理事長 相原一)

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